東京新聞(2007年9月16日)藤本由香里「本音のコラム」よりピックアップ:

日本が真似しようとしているアメリカと社会の決定的な差は「貧乏」に対する捉え方の差にあるのではないかと思うようになった。アメリカには「貧乏人は怠け者だ」「貧乏は能力が低い」という考え方が厳然としてある。


日本では「貧乏」であることはただの状態であって競争の結果を意味しない。「貧乏」は「心の美しさ」に通じると考えられ、金持ち=欲深いというマイナスイメージがあったりする。


アメリカがそうでないのは、人種差別によって長く底辺に縛り付けられてきた層が存在するからだと思う。人種的偏見が「貧乏」という結果によって正当化され、原因と結果が転倒させられているのではないか。