日本テレビ(2007年9月9日)『バンキシャ!』よりピックアップ:

各地で救急搬送中の妊婦が、たらい回しにされ、奈良では6カ月の胎児が死亡する事実が発覚。


産婦人科医不足の中で、自治体はリスクの高い妊婦に対応できる周産期母子医療センターの整備を急いでいる。しかし6つの県にはない。全国277のこうした病院のうち、10の施設が閉鎖している。


竹中平蔵のコメント):日本の医療は、いつでも、誰でも医療を受けられるのを誇りにしてきた。それが崩れてきた。厚生労働省を中心に官が抱えてきた。結果として医師の数を制限してきた。医師が足りない。財政が苦しくなってきたから公立病院も閉めなくてはならなくなった。自由化が遅れている。しかし官のガバナンスがない。


週刊金曜日(2007年8月31日)「伊藤千尋の国際時転」よりピックアップ:

映画監督マイケル・ムーアの新作「シッコ」が公開された。


アメリカではおちおち病気になれないし、けがをすれば目も当てられない。医療費が高くて、切断した指1本をつなぐのに700万円以上も取られる。病院は、入院費を払えない貧しい患者を深夜、車に乗せて路上に捨てる。


日本のような国による保険がなく、民間の保険会社はいざ請求されると難癖をつけてカネを払わない。保険会社に有利な法律を作った議員が保険会社に天下りし、年収2億円を受け取る。


医療費が民営化してしまったら人々の生活はいかに困るか、という悪例の見本のような社会なのだ。


NHK教育テレビ(2007年9月11日)『福祉ネットワーク』よりピックアップ:

小泉政権医療制度改革を行なった。診療報酬は2002年度に2.7%、04年度に1.0%、06年度に3.16%引き下げられた。


地域の中核病院だった糸魚川医療法人の姫川病院は、診療報酬の引き下げで事業収入が下落した。さらに大学から派遣されていた医師が引きあげられ、常勤医師が14人から6人になった。それにより、さらに収入が落ち込んで自己破産した。


姫川病院が倒産したため、JA新潟厚生連の糸魚川総合病院は患者が殺到して限界に達している。この病院でも医師は減っているのに、患者が増えたからである。

(by pick-up)過去、日本はアメリカより医療費は少ないのに、平均的にはよい医療を達成してきたのは日米の平均寿命の差に現われている。しかし、竹中平蔵もいた小泉政権の政策は、医療費の削減であった。もともと少ない医療費を削減したら問題が生じるのは当たり前である。医療費は削減しながら、米軍には大盤振舞である。この国は何を大事にしているのか?