『現代思想』2007/1「岸信介とは誰か」小林英夫/成田龍一(聞き手)よりピックアップ

小林:
企画院事件とか。尾崎・ゾルゲ事件とか満鉄調査部事件とか様々な事件が東條体制の下で1941年、2年にかけて起こります。あの辺で完全に合理性というのは否定されていくんだろうと思います。つまり合理性の否定というのは何かと言いますと、軍が考えることが全てなんであって、それに外れることは許されないという非合理性が支配していくのが41年頃から45年までです。


(by pick-up)小林英夫は41年頃から日本が非合理性に支配されたと言っている。なだいなだ著『神、この人間的なもの』(岩波新書)では、敗戦前の日本は集団的に発狂していたと書かれている。しかし、いきなり発狂した訳ではない。それが可能な教育勅語体制や治安維持法などの前提があったからだ。


今、かつての敗戦以前の教育を理想とする自民党や右翼が教育基本法を改変して教育支配を強めている。警察も政治的な抑圧を目的に罪のない人を簡単に逮捕して長期勾留している。自衛隊も国民の言論を監視している。



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