週刊金曜日(2006年11月24日)アンドリュー・デウィット『経済私考』よりピックアップ:

エンロンの幹部たちは、はじめから悪徳経営者だったわけではない。やや倫理に反した行動が多くの報酬をもたらすことを発見してしまい…


プログラマーストールマンGNU宣言はUnix互換のソフトウェアーを開発して、ソフトウェアーを配布する自由と変更する自由をユーザーがもつようにしようという運動の中で書いたものです。GNUの運動に対する異義のひとつに『競争が物事をより良くしていく』があります。ストールマンは、これに反論して、次のように書いてます。


GNU Emacsマニュアル』(1999)よりピックアップ:

競争の典型はレースである。勝者には報酬が与えられるので、誰もがもっと速く走ろうと努力する。資本主義が本当にこの方法で機能すればよいが、この方法で機能することを前提としている点が間違っている。


例えば、なぜ報酬が与えられるのかを走者が忘れてしまい、手段を選ばず勝つことのみに執着したとすれば、他の走者を攻撃するといった他の作戦をとるかもしれない。走者たちが真っ先に殴り合いをしてしまえば、皆のゴールインが遅れてしまうだろう。


ソフトウェアーの占有は殴り合う走者と同じだ。審判でさえ殴り合いに反対していないように見える。