NHK総合テレビ(2007年5月25日)「爆笑問題の日本の教養」からピックアップ:

社会心理学者・山岸俊男の話

ある社会があるから人々がある心を持つ。その心を持つから、また、ある社会が出来てくる。相互的なんだということです。


それを一方的に見てると、例えば、今の社会が悪くなったのは人々の心が堕落してきたからだと。それはやはり間違いであまり効率がよくないと思う。


日本は集団主義だって言われる。それは基本的には、まわりの人がお互いに見張り合ってるからなんですよ。


お互いに見張り合って、罰し合うような仕組みを導入すればいいじゃないかと。そうすると日本人のほうが協力するんです。


日本人が集団主義的だっていわれているのは日本人の心の中に集団主義があるんじゃなくて社会の仕組みの中にあるんですね。


そういう行動を縛っているようなシステムが崩れた時に自発的にお互いに協力し合っていくような社会を作っていかないといけない。


リドレー『徳の起源』(1996、訳2000)よりピックアップ:

ミツバチでは、働きバチは雄バチを産みたいという利己的な願いを持っている。だが、同時に、自分以外の働きバチには雄バチを産んで欲しくないという利己的な願いも持っている。多数の個体の願いが、各個体のエゴイズムを抑えてしまうのである。