東京新聞(2007年4月5日)井上圭子「取材現場から」よりピックアップ:

「そもそも、教育再生会議の”再生”っていう言葉に疑問がある」取材で出会った教師たちは、決ってこう言う。


仮に本当に再生が必要ならば、カギとなるのは現場の教師にいかにやる気を持ってもらうかだ。だが教育再生会議にも中教審にも現場の委員はほとんどいない。政府は教育関連三法案を今国会に提出したが、土台となった中教審の審議では、せっかく届いた1200通のパブリックコメント過半数が教師から)はほとんど話題に上らなかった。委員の1人は答申後「パラパラとしか見ていない」と言った。取材を進めるほど、イメージを土台にした机上の論がいかに現実とかけ離れているか痛感する。


制度改革のたびに学校は混乱し、教師は振り回されてきた。「安倍内閣の教育改革は、人を疑うところから出発している。罵倒からは何も生まれない。先生だって人の子」現場出身の教育長の言葉が印象深く胸に響く。