東京新聞(2007/2/5) 「試される憲法」池田太郎よりピックアップ:

池田太郎(脚本家)は3月から上映される日本国憲法草案についての劇映画「日本の青空」(大沢豊監督)の原作・脚本を担当した。


在野の憲法学者鈴木安蔵(1904〜83年)は治安維持法違反第1号の学連事件で入獄した。出獄後、比較憲法学に活路を見いだすが、著書はすべて発禁処分。戦後すぐ憲法研究会を結成し、中心人物となった。


研究会が発表した憲法草案には、国民主権儀礼的な存在としての天皇制、男女平等など、明治憲法を抜本的に変える視座があった。


GHQの民政局のラウエル法規課長が、「研究会案は民主主義的で賛成できる」とマッカーサー元師に上申した。


GHQが日本政府に示した草案と研究会案を比較すると、類似点は20カ所以上。GHQが研究会案を「お手本」にしていたのは明らかで、現憲法の条文が「GHQによって押しつけられた」という主張は崩壊しています。


研究会案には現在の九条に当たる軍の規定はなかった。研究会のメンバーはあえて軍を規定せず、「無言の条項」としたのでしょう。

毎日新聞(2006/9/17)
加藤陽子(日本近代史)のコラムよりピックアップ:

憲法は、昭和天皇の不訴追獲得の必要から急がれ、九条に戦力不保持まで書き込まれたことは、古関彰一の「新憲法の誕生」や升味準之輔の「昭和天皇とその時代」によって既に明らかにされている。象徴天皇制戦争放棄は車の両輪だった。


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