東京新聞(2007/1/16)より 宗教学者の石井研士をピックアップ:


宗教学者の石井研士は東京新聞(2007/1/16)に、占いや亡くなった人の霊との交流、あるいは超能力を売り物にしたテレビ番組を危惧した文章を書いている。

大学生にアンケートすると六割が心霊写真特集などの番組を「見る」と回答した。「怖いから見ないようにしている」という学生が2割ほどいた。「テレビに出てくる心霊写真は本物」だとする回答が5割を越えている。


霊感商法や霊視商法に詳しい弁護士からは、占いや霊に関する番組がなくならない限り被害者はなくならない、といわれたこともある。


一方で、学校教育では科学的批判精神は重視されていない。


『科学』(岩波/2006年9月号)は疑似科学を特集している。その中の菊池誠による紹介によれば、かなりの数の小学校の道徳で、単なる水が結晶するときに人間の言葉の影響を受けると教えられているそうだ。これは「波動」という疑似科学から派生したものであるという。


また『新学習指導要領をのりこえる』(教育科学研究会・山住正己・梅原利夫[編者]1989年)によれば、この時の学習指導要領改訂では「畏敬の念」や「宗教的情操」を強調した反面、以下のようなことの削除が見られた。

小学校「道徳」では、「ものごとを合理的に考え」という内容(現行の一四)を抹消している。


この一四の括弧書きのなかにあった「真理を尊び…正しく批判し判断して」ということばもなくしてしまった。

(by pick-up)宗教学者の石井研士は宗教教育の必要を主張しているが、科学的批判精神の教育とメディアリテラシー教育こそが必要だ。