『セクシュアル・ライツ入門』浅井春夫/十月舍/2000年よりピックアップ:

統一協会の「新純潔宣言」に基づいて、信者獲得と二世教育のための組織化をすすめている現実は、世界平和青年連合日本創設大会(1995年)、世界平和家庭連合(1996年)などが相次いで創られ、世界平和女性連合、東西南北統一運動国民連合などとともに、新純潔運動を中心的課題として活動を繰り広げていることにも見ることができます。


最近は「21世紀の教育を考える会」「教育を考える父母の会」などの名称で、PTAを装った組織化をおこなっている現実があります。匿名で教育委員会や校長に手紙を送ったり、マスコミに歪んだ情報を流すなどの動きも、ダミー団体の策動の可能性が高いといえます。


案内ビラなどを見ても統一協会かどうかわからないようにしているのが現状です。外国の学者・団体所属役員を活用することによって正体を隠している現実があります。統一協会の「教義」と真っ向から対抗している科学・人権・自立・共生の性教育を攻撃することは、彼らの最も重要な方針であり、譲ることのできない問題なのです。


明星大学教授の高橋史朗氏は教育学専攻の学者で(最近では「新しい歴史教科書をつくる会」の代表にも名を連ねています)、臨時教育審議会専門委員を務めた人物ですが、統一協会にきわめて協力的な関係をもってきた学者でもあります。私たちの批判に対して統一協会との関係を否定されていますが、その密接な関係は私たちの事実をあげての論証にその口をつむっておられるままとなっています。


なぜ性教育についてまったく研究成果もない高橋氏が突如として「性交教育」という造語をひっさげて攻撃を仕掛けてきたのでしょうか。その背景と起点になっているのは、統一協会の「新純潔宣言」なのです。


「新純潔宣言」の本質は、自らの意志と判断によって性行動を選択することを許さない、「神」にすべてを委ねることを説いているにすぎないのです。この本質をベールで隠しながら、「新純潔教育の提唱」をしているのが現在の性教育攻撃の特徴なのです。


新純潔キャンペーンは、統一協会の政治部ともいうべき国際勝共連合の機関紙『世界日報』でも繰り広げられてきました。