日経新聞(2007年12月24日)「核心」土谷英夫よりピックアップ:
なぜ改革が大切なのか。世界が一つの市場に統合されつつあるグローバル化−その波にうまく乗った国は栄え、乗り損ねた国は廃れる。波乗り競争に勝てる体制づくりが第一。
東京新聞(2007年12月24日)「本音のコラム」山口二郎よりピックアップ:
政策とは分配の変更をもたらすものである。労働分野の規制緩和を進めて低賃金労働を可能にすることは、労働者から企業への富の再分配をもたらす。
小泉−安倍政権の時代には、そうした再分配を改革と美化してきたものだから、それに対する反動で弱者にもっと再分配しろとの声が高まるのも当然である。
強者への再分配は改革と称賛し、弱者への再分配はバラマキと非難する。このような言説のゆがみに、確信犯である日経新聞は仕方ないとしても、他メディアはもっと敏感になるべきだ。
(by pick-up)かつて欧米は帝国主義・植民地主義で世界を食い荒らした。日本は遅ればせながら参加して痛い目にあった。グロ−バリズムもそんな感じになるのではないか。
土谷氏の口調は、かつての侵略主義の若手将校の口調「…草が衰えかけると隣の草が漸次侵蝕してくる。民族の将来もまたこの草のようなものとなるのであろう」(筒井清忠『昭和期日本の構造』)を思いださせる。
今のグロ−バリズムは、金と物は移動できても人間は簡単に国籍を移動できない。だから理不尽も生じる。均等な力関係の国ばかりではない以上、規制メカニズムでバランスをとることは必要ではないのか。グロ−バリズムの問題点は既に世界で意識されているのではないか?