東京新聞(2007年10月21日)「時代を読む」ロナルド・ドーアよりピックアップ:
サッチャー政権以来の新自由主義的、市場主義的改革は、1997年に天下を取った労働党も「逆戻し」不可能と判断した。
賃金水準は労働市場における需要・供給のバランスに任せると、働いても働いても、生活保護水準の収入にしかならない。
英国の主要な対策となっているのは賃金補填である。その構想の起原は市場原理主義のミルトン・フリードマンの「負の所得税」にさかのぼる。
最近は独身者でも、もらえる。週30時間以上働いて、収入が一定の水準に満たない場合、そのギャップを埋める給付が与えられる。総支出は国民所得の約2%である。
東京新聞(2007年10月21日)「本音のコラム」藤本由香里よりピックアップ:
この裏には「正社員並みに働いても所得水準が生活保護以下の層」いわゆるワーキングプアの存在があるのは間違いない。
つまり、働いても生活保護水準以下なのなら、生活保護基準の方を切り下げてしまおうというわけだ。しかし、これでは本末転倒だろう。
生活保護の基準額が切り下げられれば、連動して各種基準額も切り下がる。つまり貧困の「負のスパイラル」が起こってしまうのだ。