東京新聞(2007年8月11日)北島忠輔よりピックアップ:

戦時中、日本に強制連行され過酷な労働を強いられた中国人が西松建設に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁が今年4月、初判断を示した。「戦争被害に対する中国人の賠償請求権は、1972年の日中共同声明で放棄された」というもので、中国人側の訴えは退けられた。


最高裁判決後の同種の訴訟の動きに目を移すと、意外にも、事実認定に積極的な姿勢がみられる。「国や企業は被害の実態に目を向けるべきだ」という原告側の切実な訴えと無関係ではない。


中国人らの戦争被害に対する国や企業の責任は最高裁も判決で認めている。問われるのは、戦後補償に対する国や企業の姿勢だ。