『おもしろい親と子の遺伝学』ルーチニク/東京図書/1981年よりピックアップ:

科学者であり作家であるアイザック・アシモフは、最近おもしろい対比をおこなった。かれは原理的な科学的発見がなされてから、その大規模な実用化がおこなわれるまで、約60年の歳月がかかると主張している。


ノーベル賞の発想』三浦賢一/朝日選書/1985年よりピックアップ:

キャベンディッシュ研究所は生物学の理論的研究をするのにはよい環境でしたか?という質問にF・クリックはよかったと答えた。


(1)たくさんのすぐれた人たちがいましたし、冒険的なこともできました。


(2)重要なことは資金が提供されたことです。10年間結果がでなくても援助してくれる人たちがいました。


アインシュタイン16歳の夢』戸田盛和/岩波ジュニア新書/2005年よりピックアップ:

アインシュタインは「大学にいようと思えば若い人は多数の学術論文を生産するように強制される。それは底の浅い研究をさせられるのと同じ」と言っている。

(by pick-up)日本では基礎科学を振興すべきだということが言われるときには、それは本当の基礎科学というよりもあくまで応用科学のうちの基礎部分であることが普通である。こういう科学観ではうすっぺらなものしか出てこない。


スターリン石原慎太郎は、『役に立つ研究』でないと駄目だと言って、科学を破壊する。しかも、最近は他の国より金も出さずに競争させれば成果があがると思い込んでいる。イギリスの自然科学は昔は優秀だったが、新自由主義化して、かつてのように成果が出せるのか不明である。現在アメリカの自然科学は優秀であるが、それは世界から優秀な学者を移入することで成立している。