朝日新聞(2007年7月2日)よりピックアップ:

石油の根源岩の1つ、黒色頁岩を分析して、その起源がシアノバクテリア藍藻)だと明らかにした海洋研究開発機構大河内直彦さんは「白亜紀の海は、大発生したシアノバクテリアで赤く染まっていたのでは」という。藍藻や、それを食べた生物の死骸が沈み、有機物の一部が長い年月をへて石油に変ったという。


無機成因説もあるが、有機成因説が定説だ。現在の石油の大半は古生代(5億4000万年前〜2億4500万年前)より後にできたもので、中生代(2億4500万年前〜6500万年前)のものが約6割を占めるともいわれる。


時代ごとに多彩な生物が石油の炭素の起源だとわかりつつある。北海道大の鈴木徳行教授は「中東のような中生代の石油は、石灰質ナノプランクトン(円石藻など)が多いと考えられます。サハリンやカリフォルニア、秋田、新潟など新生代の新しい石油は珪藻の仲間が主体です」。中生代に全盛だった渦鞭毛藻も石油になったという。鈴木さんは、新生代(6500万年前以降)の石油には、陸上の植物からできたものがあることに注目している。


石油の総資源量は、見つかっていないものや採掘できないものも含め、ざっと3兆バレル。うち1兆バレルがこれまでに掘られ、今後は1兆バレルを生産できる。需要がいまのままなら、40年ほどもつと考えられている。