東京新聞(2007年6月16日)「経済ノート」小林慶一郎よりピックアップ:

普通は、デフレは不況の結果だが、数年前から、デフレが不況の原因だという説が提唱された。デフレ脱却は、不況を終らせるために掲げられた目標だった。


ところが02年2月から景気の回復がはじまり史上最長の景気拡大が続いている。にもかかわらずデフレが終らないというのは謎というしかない。あえて理由を探すと、賃金上昇が起きていないことだろう。


しかし、米国経済と比較すると、説明として物足りない。労働者の立場も日本以上に弱い。需要不足はすでに、解消した。なのにデフレが続いているということは、均衡状態でデフレが続いているということだ。


均衡状態の経済において「長期的に日銀が低金利政策を続ける」という期待が市場に広がると、その期待のためにデフレが続く可能性がある。デフレを脱却しようとして低金利政策を続ければ、均衡状態の経済では、デフレを長引かせてしまうのである。

(by pick-up)異常なことを長く続ければ、異常な結果が招来されるのは不思議じゃない。