東京新聞(2007年5月2日)森永卓郎よりピックアップ:

今の日本は、満州事変前の1920年代後半に似ている。大正バブル後、金融恐慌の影響による不況に苦しんでいた国民は、緊縮財政を断行した浜口雄幸首相を熱狂的に支持しました。経済学的には政策を完全に誤ったリーダーでした。激烈なデフレが起きて失業者があふれました。総選挙に臨んだ浜口は叫んだ。「明日伸びんがために、今日は縮むのであります」。浜口率いる民政党は圧勝しました。国民の熱狂から生み出された全体主義の雰囲気は残った。その空気に乗って軍部が暴走してゆくのです。