東京新聞(2007年7月17日)「即興政治論」想田和弘(映画監督)/豊田洋一(記者)よりピックアップ:

(想田):よく政治「不信」と言われますけど、僕は政治「過信」じゃないかと思います。つまり、誰がなってもそこそこのことはやってくれるんじゃないか、ちゃんと選ばれた立派な人たちだから、きちんとやってくれるだろうと過信している気がするんですよ。


(想田):ヒトラーは民主的な過程を通じて独裁者になりました。民主主義の最大の問題点は、民主的な方法によって、民主主義を抹殺できるということです。


民主主義が万能で、常に享受できるというのは幻想で、下手すると、民主主義は本当に自殺してしまいかねない。


(豊田):だからこそ、常に監視をして、選択していかねばなりません。


(想田):この平和がずっと続くとは限らないというのが、僕の印象です。