朝日新聞(2006年12月19日)よりピックアップ:

1959〜69年、日本で、両手足の短い赤ちゃん約300人生まれ、母親が服用した睡眠薬サリドマイド剤の影響が疑われた。


被害者が国と製薬会社に起こした訴訟で統計学吉村功は71年、東京地裁で被害者側証人として法廷に立ったが、その2年前、ある国立大の教授が論文で「サリドマイドの販売量と障害の発生率には相関関係はない」と製薬会社側に有利な主張をしていた。


西ドイツで、61年、レンツの学会発表では障害児を産んだ母親112人のうち90人がサリドマイド服用。健常児を産んだ母親188人中サリドマイド服用は2人というデータ。


前述の国立大教授はレンツのデータを否定した。吉村は「全国的なデータでは相関関係がない」という主張に対し、データを地域別に分ければ、サリドマイドの販売量が多かった地域では障害が多く発生していると因果関係を示した。