武谷三男『罪つくりな科学』青春出版社/1998年よりピックアップ:
原発の商業運転がスタートしたのは1966年ですが、廃棄物をどうするかの検討が始まったのは何と1995年。30年近くたってからトイレがないぞとあわてだし、原子力委員会に「高レベル放射性廃棄物処分懇談会」が設置されたのです。
原発を一基つくるのには、5000億円以上かかります。土木、鉄鋼、建設と、大口の仕事になる。アメリカからは設計や特許などを買ってくる。
原子力というのは、ウランを燃やして、発生した熱で高温の水蒸気をつくり、その蒸気で発電機のタービンを回します。
核燃料は膨大な「死の灰」作りだします。たとえば一時間に100万キロワットの電気出力をもつ発電所では、一日の運転で広島型原発が3発ないし4発爆発した分の死の灰が作られるのです。
このうち、毒性の強いプルトニウムの半減期は2万4000年。半減期というのは半分になるまでの期間という意味です。それがまた半数になるまでに、さらに2万4000年かかるのです。
(by pick-up)子供の頃に原子力発電の仕組みがただお湯を沸かすだけと知ったときには呆れてしまった。バランスが悪すぎるだろう!タービンを回すくらいなら太陽がもたらす各種のエネルギーのほうがいい。風力、水力、薪炭、エタノール発酵、メタン発酵、・・・お湯を沸かすだけなら地熱も利用できる。足りないなら、ぜいたくなエネルギー利用をやめる事!ちょっと前の生活だって、そんなに酷いものではなかったんだから。
エタノール生産に穀物を使うのは愚かだ。セルロースを利用する技術を確立すべきだ。風力のような変動する発電は、水の電気分解で水素生産に利用したらどうだろうか。