東京新聞(2007年9月30日)「新聞を読んで」元木昌彦よりピックアップ:

『僕はパパを殺すことに決めた』の著者と、著者に供述調書を漏らしたのではないかという「秘密漏示」の疑いで医師が、奈良地検強制捜査されている問題について書きたい。メディアを委縮させるための恫喝であり、国民の知る権利を損なうものである。


起訴もされていないのに一部図書館が本の閲覧を中止するなど、知る権利や表現の自由など、お上の一声でボロ雑巾の如く捨てられるという見本ではないか。


「少年犯罪を防ぎ、子どもたちを健全に育てるために、もっと情報を得たい、と願う人は多い。公権力が情報流通を強権的に遮断する社会は不健全だ」(9月21日社説)と、私も思う。