TBSラジオ(2007年6月19日)『ニュースさかさ眼鏡』よりピックアップ:
小西克哉と小松正之の対談
(小松):漁業者が戦後直後(昭和24年)は100万人以上いたんですね。現在は、22万人に減ってしまいました。半分は60歳以上の高齢者で、年間1万人以上減っています。
農林大臣が許可する大きめの漁船が昭和30年代は1500隻ぐらいづつ作られていたが、現在は27隻だとか急激に減っちゃったわけですね。採る手段がなくなってきた。
(小西):待遇とかどうですか。
(小松):漁船ひとつ見ても、ノルウェーの漁船はサローンとして奇麗なリラックスできるところですけど、日本の漁船は狭くて4人部屋だとか、老朽化してるわけですね。資源の状態が悪いですから漁が少ない。外国から魚が入ってきて値段も高くない。賃金も陸上の半分だとか三分の一。全てが悪循環。
(小西):衛生状態、諸外国に比べて進んでいないと…、びっくりしました。
(小松):市場が魚を土間に並べているところがほとんど。たとえば長靴でトイレから出てきた人が…。少しずつ改善してるがペースが遅い。
(小西):新規参入が難しいとか。
(小松):漁業法だとか、水産業協同組合法だとか、漁業者は漁業者の息子・娘でないとなれない。外食産業が共同経営でシュンの魚を持ってきたいという場合、参入障壁で出来ない。
(小西):漁業予算はどこが違うんですか。
(小松):量的には日本は多いくらい。問題は公共事業。三分の二が漁港に支出される。昭和はじめの頃、道路も整備されていなくて、漁村が孤立状態だった。ところが道路が通ってしまった。漁船も減っている。整備が一回終っているわけですから…
ヨーロッパは6%しか漁港予算に使っていない。資源の回復だとか、古い船を新しくするとか、そっちの方に使っている。
(by pick-up)無駄な土木工事に金を使い国家財政を崩壊させる一方で、必要なところに金を使わず国家の未来を破壊している。