週刊金曜日(2007年10月5日)粱丞佑よりピックアップ:

新宿・歌舞伎町を撮り始めて3年目のある夜。新宿コマ劇場の前で、段ボールの上に寝ている幼い子どもを発見した。今から5年前の出来事だ。当時、一見派手な事柄を好み、追いかけ撮影していた私は、この光景にこの町の真相を見たような気がした。そして、目が離せなくなった。


それから注意して街を見てみると、人々が寝静まった時間、眠らない町には眠れない子どもたちがいた。“ホームレス”の子ども、夜の仕事をする母親を待つ子ども、そして親の出稼ぎについてきたが、落ち着いてとどまれる場所がないために、仕方なしに街中を「居場所」にする子どもたちがいた。彼、彼女らは大人とともに現れ、大人とともに消えていった。