週刊金曜日(2007年12月7日)「林野庁、大雪山国立公園で大規模伐採」藤田和恵よりピックアップ:

林野庁が国立公園を含む国有林で木を切るのは、間伐や択伐で森林を育てるためだ。一方で、伐採木の一部は材木として販売され、林野庁の収入となる。


ある林野庁職員は「台風被害に乗じて収入を伸ばそうと、作業を急いで過剰に伐採した可能性は否定できません。収入が上がれば局の評価につながりますから」と話す。


林野庁によるずさんな伐採は全国各地で明らかになっている。


背景には、林野事業の慢性的な赤字と、いきすぎた経費削減、“効率化”がある。


「日本の天然林を救う全国連絡会議」のまとめでは、国有林に占める天然林の割合は1950年の38%から11%にまで激減している。


大雪山国立公園での皆伐は、業者任せの配慮を欠いた伐採が常態化する中で起こるべくして起きたとの見方もできる。


氷河期を生き延びた希少な種が数多く含まれている。同様のルーツが守られているのは、日本のほかは北米大陸東部の一部だけ。