朝日新聞(2007年12月15日)社説よりピックアップ:

南京事件について)、日本の専門家の間では、数万人説や「十数万人から二十万人」説などがある。私たちも30万人はいくらなんでも多すぎると思う。だが、一部では虐殺自体を否定する暴論まで語られている。


新記念館に掲げられた数字は、そうした日本の論議への怒りを表してもいるようだ。数字の探求は専門家に任せるべきだ。

(by pick-up)専門家に任せるべきだと言いながら、「30万人はいくらなんでも多すぎる」とは無責任な言論である。中国側の主張は、彼らなりの根拠に基づいているらしい。「いくらなんでも多すぎる」という否定の仕方は軽々しい。否定するなら根拠を示すべきだ。


マニラ市街戦では、日本軍とアメリカ軍の戦闘に巻き込まれたフィリピン人市民が10万人死亡した(アメリカ側資料)。市街戦に持ちこんだ日本軍の責任もあるが、直接の要因はアメリカ軍による砲撃であるらしい。マニラで10万人なら、当時の中国の首都であった南京で30万人は「いくらなんでも多すぎる」と否定できる規模ではないだろう。


朝日新聞は、右翼に攻撃され続けてきたが、こんな腰の定まらない社説を書くようでは、戦争中の朝日新聞と同じようになりかねない。