現代思想(2007年10月)「原子力介護政策に根拠はあるか」吉岡斉よりピックアップ:

原子力発電は、その実力からみて不相応に高い地位を、エネルギーの中で占めてきた。その背景には政府の濃密な指導・支援メカニズムがあった。


そのメカニズムを動かすことにともなうコストとリスクは、結局は税金や公共料金という国民負担によって賄われる。政府介入のうち正当な根拠がないものを全て廃止することにより、国民負担を軽減することが可能である。その国民負担にはもちろん経済的負担だけでなく、生命・健康上のリスクも含まれる。


それによって原子力発電と他の種類のエネルギーとの間で、公正な競争が行なわれるようになる。それは結果として原子力発電の衰退を加速させるであろう。