週刊文春(2007年10月4日)「岸信介はアメリカのエージェントだった!」よりピックアップ:

<米国がリクルートした有力な二人のエージェントは、日本政府をコントロールするというCIAの任務遂行に協力した>


岸信介はCIAの助けを借りて日本の首相となり、与党の総裁になった>


<岸は日本の外交政策を米国の希望に沿うように変えると約束した。そして米国は、在日米軍基地を維持することができ、そこに核兵器を貯蔵することができた。見返りとして岸が求めたのは、米国からの秘密裏の政治的支援だった>


(ティム・ウィナー著『LEGACY of ASHES The History of the CIA』より)(<>内は同書からの引用)


「秘密裏の政治的支援」とはCIAからの巨額のカネだと、ウィナー氏は著書で断定している。ウィナー氏は宣言している。<この本は記録に基づいている。匿名の情報源も、出所不明の引用も、伝聞も一切ない。一次情報と一次資料によって構成された初めてのCIAの歴史である>


「1994年のことです。CIAと米国政府の秘密作戦について取材していた私は、米国務省が毎年発行している『米国の外交』の発行が遅れていることを知りました。CIAの自民党に対する支援について記述することに、CIAが難色を示したことが原因でした」


岸は日本政界についての情報をCIAに提供した。


<米国がリクルートした有力な二人のエージェント>のもう一人は児玉誉士夫である。


岸がCIAに求めたのは、永続的な支援財源だった。


<そのような資金が、4人の歴代大統領のもとで少なくとも15年のあいだ流れ、冷戦期の日本で一党支配を強化することに貢献した>


その代償は、日本がアメリカにとって都合のいい国になることだった。


だが、国務省は関連する外交文書そのものを公開したわけではなく、岸に対する具体的な工作を記した秘密文書は未だに公開していない。


岸に提供された1回1億円のカネは現在ではいくらぐらいにあたるのか。60年当時、首相の月給が25万円、国会議員は13万円だったことから推測すれば、10億円くらいになるのだろう。当時すでにあった政治資金規制法違反である。


佐藤栄作政権で、65年の沖縄の立法院選挙と68年の主席公選にCIA資金が投入された。岸を相手とした資金提供では、ルートは巧妙に偽装され、CIAからのものだとは、わからないようになっていたという。


76年に発覚したロッキード事件では丸紅ルート、児玉ルートなどさまざまな資金ルートが取り沙汰されたが、検察が立件できたのは丸紅ルートだけで、全容解明には程遠い結果だった。もしロッキード社からの裏金提供ルートの全容が解明されると、過去のCIAと岸の秘密の関係が明るみに出る可能性があったという。

(by pick-up)岸信介の孫である安倍晋三は、戦後レジームからの脱却を唱えて、教育基本法を改悪した。戦後レジームから脱却したいなら、彼がやるべきだったのは、岸信介を尊敬することではなく、祖父のスパイ行為を謝罪して、米国のあやつり政党である自民党を解党することだった。


愛国心があるなら外国にコントロールされる自民党の存在など認めることは出来ないはずだ。しかし岸信介を称讃するウヨク言論人もいる。この国には偽ナショナリストばかりがウヨウヨしている。