週刊金曜日(2007年6月22日)「これが慰安婦事件を裁いた軍法会議の証拠だ、第3弾」梶村太一郎よりピックアップ:

慰安婦問題で日本政府の謝罪を求める決議案が審議中の米国で、国会議員44人と櫻井よしこ氏らが、『ワシントン・ポスト』紙に強制を否定する全面広告を出した。


そこには「スマラン島(こんな島は存在しない…梶村注)では、ある陸軍部隊が若いオランダ人女性の一団を強制的に集め『慰安所』で働かせた。だが、事件が明らかになった時点で、軍の命令で閉鎖され、責任のある将校らは処罰された」とある。


このような歴史修正主義者らの主張には、絵に描いたような事実の歪曲と捏造がある。


スマラン倶楽部という慰安所は、女性たちの捨て身の抵抗が激しく、経営不能となって1カ月で閉鎖、女性たちは他の3カ所の慰安所に分けられた。


計画実行した幹部候補生隊の隊長、能崎清次少将は、慰安所閉鎖後、ジャカルタの軍司令部に謝罪に出向いたが、軍は関係者の誰一人の処罰もしていない。公判記録では、法廷で能崎以下被告本人らが、処罰はなかったと自から述べている。能崎は翌45年3月には中将に昇進、敗戦直前には勲一等瑞宝章を受勲している。


死刑になった岡田慶治少佐は、法廷で慰安所規則を自らつくり、源氏名を与えたことを罪悪感もなく、得意気に陳述している。ここでは幹部候補生の教官である軍人が立派な「悪徳業者」そのものであった。