現代思想(2007年1月)「岸信介とは誰か」小林英夫/成田龍一(聞き手)よりピックアップ:

(成田):GHQは1928年以降の日本の戦争責任を問います。しかも日米開戦に力点を置きますから、東條内閣の閣僚たちは、まっさきにA級戦犯の容疑になる。岸信介の逮捕も随分早かったのですね。にもかかわらず、東條と距離を持っていたが故に、起訴はされませんでした。


(小林):もうちょっと違う要素もあるかなという気がします。巣鴨で岸に対して尋問しているのは検察官ではなく情報将校だったことです。彼を戦犯容疑にして扱うというよりは、情報収集、情報提供者として扱っているということの象徴であって・・・


(成田):巣鴨でも、新しい人脈を作っていくことになります。児玉誉士夫らとか戦後の岸のダーティーな部分を担っていく人たちです。


(小林):安保条約の改定といっても中身を見れば分かりますが、対等の条約になったわけではないわけで、その結果酷い目にあっているんであって不平等条約で負担のほうが強くなったくらいです。形式上は対等ですが・・・


徳本栄一郎「角栄失脚歪められた真実」光文社/2004よりピックアップ:

(元チャーチ委員会のジェローム・レビンソン)「われわれの調査が進むにつれ、情報機関員と名乗る人物からの電話が増え始めた。ハワイから電話してきた人物は、自民党を作ったのはCIAであることを教えてくれた。


後に外交委員会の幹部は私に、自民党を作る過程で、いかに米政府が巣鴨プリズン出身者を利用したかに触れるのはまずいと言ってきた。つまるところ、この事件の本質は単にロッキード社だけでなく、米国のCIA、大企業、外交政策を結ぶ連鎖だったのだ」


TBSテレビ(2005年1月5日)、近未来提言スペシャ
関口宏の「歴史は繰り返す」第3弾(日米同盟の裏側)からピックアップ:

なぜA級戦犯の岸をアメリカが釈放したのか、アメリカとの密約があったのではないかと囁かれている。


日米同盟史研究者マイケル・シャラーは公開されたCIAの文書をもとに、アメリカは日本の左派に対抗するため保守勢力の統合を進め資金援助をしたと語る。リーダーとしてアメリカが推奨したのが岸信介


1958年、米政府は仲介者を通して自民党に200〜300万ドル提供した。この年、総選挙で自民党社会党に圧勝した。


岸が首相になりアメリカ側は安心しました。なぜなら、岸なら日本を追従の状態に保つだろうと思われていたのです。


(by pick-up)いまだに自民党政権が続き、岸信介の孫の安倍晋三が総理大臣をやっている日本。アメリカの影が感じられる右翼モドキにかき回されている日本の政治。あーあ。