NHK教育テレビ『視点・論点』(2007年8月16日)田中喜美子よりピックアップ:

夫と妻との関係は、この30年間驚くほど変わった。30年前、多くの夫は女は馬鹿だと、おろそかに扱ってきました。当時彼女たちに家庭以外に生きる場がひらかれていなかったからです。


1980年代から変化してきました。商品経済の発達で家事が楽になりました。主婦が二極分解しました。マイノリティは能力にふさわしい仕事を手に入れた人たちです。マジョリティの主婦の生き甲斐は子どもです。


稀に母親が子どもを殺す事件が起きると、母性愛がなくなったのかと言われますが、えい児殺し検挙者数は1950年に321人だったのが、2005年には19人と減少してきたのです。母親による子殺しは年々少なくなっているのです。


3歳までの母子密着の子育てが、生きる力の弱い子どもを大量に育てています。徳島大学の調査では、3歳までに集団保育を体験した子どもは学齢期に不登校になる率が少ないというデータもあるわけです。


なのに、政治家たちはいまだに3歳までは母の手でとしか繰りかえしておりません。